「まもる君、ニュース見た?」
「見たよ」
「悪いことしちゃったね」
「そうだね、ウヒャヒャヒャヒャ」
「ねえ、まもる君」
「何?」
「その“ウヒャヒャヒャヒャ”ってのやめてくれない、気持ち悪いから」
「気持ち悪いってまた失礼だな」
「だって今時いないよ。そんな笑い方する人なんて」
「ウヒャヒャヒャヒャ」
「殺すよ」
「はなちゃんマジ怖いから」
「冗談じゃないからね」
「はーい。気を付けます」
「まったく調子いいんだから」
「だって吉田理恵子はもういないんだぜ」
「そうだけど・・・」
「あれ? 嬉しくないの?」
「なんかすっきりしないのよね」
「まだあいつが生きてるからね。でも時間の問題だよ。金山悟が死ねば僕たちは自由だ」
「自由になってどうするの?」
「あらら、今更そんな質問?」
「自由の身になって、どうやって生きていくの?」
「そのまま吉田理恵子と金山悟の人生を乗っ取ればいいんじゃない」
「それ、意味ないじゃん。それに、彼女が死んだことはみんな知ってんだから」
「あ、そっか」
「私達の自由は、誰かになりすますことじゃなくて私達自身でいること」
「そうだね。調子に乗りすぎて忘れてたよ。ウヒャヒャヒャヒャ」
「やめて」
「あ、ごめんごめん」